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イニシャルコストを抑えることができるオフィスには、様々な形態があります。中でも注目を集めているのが「フリーレント」というもの。今回はそんなフリーレントのメリットとデメリットに迫ります。

フリーレントとは、言葉の通り「無料」で貸し出してくれるシステムです。1カ月〜3カ月間が無料になる場合がほとんどのようです。しかしなぜ無料で貸し出してくれるのでしょうか。貸し出す側にとって最も避けたいのは、空室が続くこと。それを避けるために、最初の期間を無料にして利用者を集めているのです。他にも理由があって無料にする業者もありますが、借りる側にとってもコストを抑えられるというメリットがあります。

フリーレントの期間はたいてい1カ月〜3カ月間ですが、半年としている物件も中にはあります。これらは貸し出す側の考え方の違いから生まれるものです。フリーレントは家賃自体を下げずに集客することができるケースが多いので、既に契約している人からのクレームも少なくて済みます。また家賃だけでなく不動産屋の仲介手数料も下げる必要がないため、貸し出す側としては家賃を下げるよりも有用な選択なのです。

魅力のあるフリーレントですが、注意したい点があります。それは「条件付き」の物件が多いこと。特に一定期間の貸し出しを原則としている物件が多く、途中で解約すると違約金が発生する物件が多いのが特徴です。貸し出す側としても一定期間貸し出せなければ損になるので当然と言えば当然ですが、フリーレントを検討する場合には一定期間借りるビジョンがあるかどうか考えましょう。

最初の期間は無料で貸し出してくれても、その後の賃料が高いというケースもあります。貸し出す側の考えを理解すれば手っ取り早いですが、長い目で見て無料にした分を回収していこうとするためです。最初は無料でも賃料自体が高く設定されているため、契約期間全体で見てみると割高になってしまう場合も多々あります。フリーレントである意味を考えながら、検討していく必要があるでしょう。

フリーレントは最初の期間にコストがかからないので、引っ越し費用や必要な備品などをそろえたい起業や移転の初期にはとても助かる制度です。しかし、すでに説明した通り、長い目で見ると得にならないケースや短期間で解約すると違約金をとられるケースもあります。不動産屋と綿密に相談をし、長いスパンで利用した場合に得になるかを意識して探すのが良いでしょう。このようにフリーレントはいくつかの条件を満たすことで一定期間家賃が無料になるシステムなので、起業や移転を考えている人はかしこく活用してみてはいかがでしょうか。