原状回復とは、賃貸物件の契約期間が満了する際に物件を元あった状態へと戻すことです。大規模な内装工事や改築などを行った際には、大規模な工事を経て原状回復を行う必要があります。しかし、原状回復のルールをしっかりと把握していないと貸主と借主の間でトラブルに発展することもあります。ここでは原状回復のルールや費用についてまとめました。
オフィスと住宅では原状回復の考え方が違う!
まず、賃貸ではオフィス目的の物件と住宅物件で原状回復についてのルールは変わることを覚えておきましょう。住宅とは違い、オフィスではどの程度の改装がなされるのか貸主でも把握しきれないことがあります。そのため、賃貸オフィスの原状回復にかかる費用は借主が全額負担するように契約時から定められていることが一般的なので、確認しておくことがおすすめです。
オフィスの原状回復費用の相場は?
賃貸オフィスの原状回復費用はどれだけの改造を施したかにもよりますが、一般的には坪あたり2万円から3万円程度だとされています。つまり20坪のオフィスなら原状回復に60万円は想定しておくといいでしょう。これが大型のオフィスになると坪当たり10万円になることもあり、原状回復は物件の規模にも大きく左右されるといえます。
マンションオフィスは住居扱いの場合も
マンションオフィスでは退去時に必ず原状回復費用を借主が払わなければいけないのかというと、契約内容によりケースバイケースになっているのが現状です。たとえば、住宅としての使用が禁止されていないマンションオフィスで仕事をしていたとしたら、書面上は住宅契約にすることが可能です。特別な追記文が書面にない限り、原状回復を貸主に負担してもらうことは可能です。
原状回復でもめやすいポイント
原状回復でもめやすいのはこうした契約の条項を借主がきちんと把握していないことが多くあるからです。また、負担額のルールなども知らないまま契約を結ぶ借主もいます。契約時には入居のことだけでなく退去のルールも聞いておいて、後から「聞いていなかった」などと言い出さないようにしましょう。契約書に掲載されている事実を曲げることはほぼ不可能です。
原状回復費用を相場以下に抑えるためには?
原状回復費用を抑えるためには、退去直前にまとめて行うのではなく、必要がなくなった部分から回復を行っていくことです。そして、契約条項をよく調べて不要な回復は省略しましょう。ただ、業者に見積を取って最も安い業者に依頼するということは難しい場合が多いです。なぜなら、オフィス使用の場合約款に予め指定された業者にて原状回復を行うことを指示されていることが多いからです。基本的にキレイに使うようにし、業者の金額が気になる方は事前に約款を確認するようにしましょう。