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事業を始めるにあたって、まずこだわりたいのがオフィスではないでしょうか。外観や内装、立地など重視したいポイントは人それぞれですが、たとえどんな気に入った物件でも賃料が高すぎては事業の足かせになる可能性もあります。今回は経営者に役立つテナント賃料交渉術を5つご紹介します。毎月かかる賃料を少しでも安く抑えて、収益を増やしましょう。

テナント賃料の交渉には、貸主が値下げしても良いと思えるような交渉材料が必要です。新規で借りる場合は、まずしっかりと話を聞いてもらうためにも、不動産屋のオフシーズンである7〜9月頃に交渉を始めるのがおすすめです。物件に関しては築年数が古い、エレベーターが設置されていない、日当たりが悪いなどの条件や、実際目で見た外観や内装、共用部の設備状態を交渉材料に使いましょう。また最初は交渉材料が見つからなくても、3年以上契約すれば賃料を下げてもらえるケースも多いので、長い目で計画しても良いかもしれません。

交渉材料を集めたら、まずはインターネットなどで周辺物件の賃料相場を確認しましょう。検討しているテナントの賃料が相場を上回っているなら、値下げの余地があります。また駐車場の有無や借りたいテナントの階数、人通りの多さや周辺の雰囲気も交渉材料になります。たとえ人気の商業施設が多く、相場の高い場所でも、通りによっては人通りや雰囲気も異なるため、実際に現地を訪れてみるとデメリットを感じることもあり得ます。周辺物件の賃料相場はもちろん、その相場に見合った物件なのかという点を踏まえて交渉すると良いでしょう。

テナント賃料の交渉は貸主にとってうれしいものではないので、信用できないテナントから交渉を受けても相手にしないケースがほとんどです。新規でもすでに契約している場合でも、毎月滞納することなく賃料を支払い、貸主からの信用を得ることが交渉の第一歩と言えるでしょう。貸主にとっても毎月賃料を遅延なく支払ってくれるテナントに出ていかれたり、空室がいつまでも埋まらなかったりする事態は避けたいものです。賃料交渉を成功させるためにも、賃料は毎月しっかりと支払いましょう。

一時的ではあるものの、入居後1〜3カ月ほどのあいだ賃料が無料になるフリーレントを適用してもらうという方法もあります。入居時は引っ越しや備品の購入など初期費用の負担も大きいので、家賃がかからないフリーレントは経営者にとってうれしい制度です。また賃料自体は下がりませんが、入居した年は年間の支払家賃が抑えられるというメリットもあります。ただし物件によっては敷金や共益費を支払う必要がある場合や、入居後1年間は退去してはならないなどの縛りがある場合があるので、条件をしっかりと読んでおきましょう。

テナント賃料交渉がうまくいかなかった場合、敷金や礼金、物件全体のメンテナンスなどにかかる管理費、光熱費や備品にかかる共益費を下げてもらう方法もあります。フリーレントと併用すれば初期費用を大幅に抑えられる上、管理費や共益費が下がれば毎月かかる固定費が安くなるので、収益にも大きく貢献します。また、ビルの入口付近にお店のチラシを置かせてもらうなどの交渉もおすすめです。賃料交渉の際は交渉材料をたくさん集めるのはもちろん、賃料以外でも交渉するなど、あらゆる方法を使って収益を生み出しましょう。