連帯保証人という制度は聞いたことがあっても、その意味をしっかりと把握できている人は少ないようです。ここでは、オフィスを借りるのであれば必ず知っておきたい連帯保証人に関する知識を紹介します。
オフィスは連帯保証人を求められる?
家を借りる際などに必要になる連帯保証人ですが、これはオフィスなどを借りるときにも原則必要になってきます。法人の場合には法人の代表者が連帯保証人になるケースが多いようです。ただし、設立から間もなく、経営実績がない場合には第三者の連帯保証人を求められるケースも多くなっています。
連帯保証人と一般的な保証人は別物
連帯保証人と単なる保証人はどう違うのでしょうか。一般的に法律上では、『催告の抗弁権』、『分別の利益』、『検索の抗弁権』という3点において異なると説明されています。催告の抗弁権というのは連帯保証人が家賃を支払わない借主に対して支払うように催告することができる権利のことをいいます。この権利が連帯保証人にはありません。また、3つめの検索の抗弁権というのは家賃を支払わない借主の支払い能力などを調べて催告する権利のことをいいます。この権利も連帯保証人にはありません。つまり、貸主が連帯保証人に支払いを求めてきた場合は無条件で支払いをしなければならないのです。2つめの分別の利益というのは連帯保証人がいくらいたとしても1人で全額の債務を引き受けなければならないことを表しています。
連帯保証人に請求が回ってきたら?
連帯保証人に請求が回ってきた場合、その請求を免れることはできません。請求金額を全額支払った場合は、支払いが完了した後に債務を履行しない借主に対して支払った額を請求する権利があります。一方で、連帯保証人自身も債務を支払えない場合には債務整理や自己破産といった手続きが必要になるケースもあります。
責任の重い連帯保証人を辞めたいときは?
責任の非常に重い連帯保証人になってから解除したいという場合もあるでしょう。しかし、一度なった連帯保証人は自分の意志だけでは基本的にやめることはできません。連帯保証人の地位を降りる唯一の方法は、保証をしている人物との話し合いによる解除しかありません。ただし、基本的に保証人がいなくなってしまっては契約者本人も困りますし、連帯保証人自体そう簡単には見つかりませんので話し合いは難航する場合が多いでしょう。
保証会社を活用するという手も
ここで見たように連帯保証人になることにメリットはありません。そのため、なり手も少ないので見つからない場合も当然あります。そのようなときには保証会社の利用も視野に入れましょう。保証会社は賃料+共益費の1ヵ月分程度を毎月支払うことによって連帯保証人の代わりをしてくれるものです。しかし、この保証会社にも審査があり、債務を履行できない可能性が高いと思われる場合には審査に通らないことも考えられますので注意が必要です。今までよく知らなかったという人も、保証人のリスクの大きさをよく理解して契約を結ぶようにしましょう。